
〈1、4、7、10月の第2月曜日更新(祝日の場合は翌営業日更新)〉
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(第32回まで哲学雑誌『ロゴスドン』に連載)
私は、多数の式場と契約している某大手写真会社で12年以上に渡りブライダルのプロカメラマンとして、1000組を超えるカップルの挙式や披露宴を撮影してきた。その豊富な経験を活かして小さくてもいいから城の主になろうと、個人商店であるKYアートを設立した。挙式や披露宴のスナップ撮影は撮り直しができないので、経験豊富なプロカメラマンに依頼したいと考えるカップルが多いだろうと思っていた。しかし現実は、店名が悪いのか、ホームページが悪いのか、閑古鳥が鳴いている。
私が長年に渡って磨いてきた撮影技術を鈍らせると、今までに撮影した多くの新郎・新婦にも申し訳がたたない。それで数ヶ月前から、ブライダルの撮影依頼がない土・日・祝日は、各スポーツの全国大会等を撮影する仕事を請け負っている。ブライダルとはかなり勝手が違うので、当初は失敗も多かった。しかし、仕事をくれる会社の方たちは、「人を人として扱う」心のこもった親切な指導をしてくれた。その社長や社員の「人を育てる経営方針や心根」が私の心に深く響き、何とか期待に応えたいと初心に帰って努力した。その甲斐あって、今ではその会社の正式な契約カメラマンとして戦力になることができている。
世の中には、「人を儲けるための道具」としか見ない会社も多い。そんな経営陣の心は、「人を人として見ることができない」状態に陥っている。「機械は燃料があれば動く。人はお金があれば動く機械」と見ているかのようである。関ヶ原の戦では、石田三成は徳川家康より、お金(与えることのできる土地)の面では優位にあった。それで、三成側に加担する者たちが多いとふんだ。しかし実際は、人はお金では動かなかった。三成側の毛利輝元も初めから本気で闘うつもりはなかった。三成側の小早川秀秋らは寝返った。義を重んじた家康側に付いたのである。
戦国の昔から、人の本質というものは変わっていない。その哲学を持っている会社と、そうでない会社を見極める必要はある。少なくともKYアートは前者を目指す。
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