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(第63回まで哲学雑誌『ロゴスドン』に連載)
アニメ化、ドラマ化が共に大ヒットし、展覧会を開催すれば大盛況。キャラクター商品を発売すれば飛ぶように売れて行くという大人気漫画作品。コスプレが大好きなギャルと、老舗人形屋の若旦那である男子高校生のラブコメという、今までになかった、古くからの伝統×今時のブームというマッチングが新鮮だ。
五条新菜(ごじょうわかな)は雛人形職人の祖父と二人暮らしの男子高校生。将来は雛人形の頭を作る頭師になること。性格は内気でクラスでも目立たない存在だ。しかし、同級生の元気ギャル喜多川海夢(きたがわまりん)と出会って腕前をリスペクトされ、彼女の趣味のコスプレ衣装作るようになる。それがきっかけで友達も増え、一気にクラスやコスプレ愛好者達にとってはなくてはならない存在となる。
海夢は、積極的で友達も多い。自分の憧れの世界を実現してくれる五条に惹かれるようになるが、気持ちを伝える場面になるとちょっとドギマギしてしまう。
正反対の性格の男女が、お互いの好きな物を通じて徐々に恋に落ちて行くストーリーが、懐かしいようで新鮮でもある。一人では見られなかった夢が、誰かとの出会いによって叶うという素敵な展開にどんどん引き込まれてしまう。
真面目一直線で、人とあまり関わらないで生きていた五条は、海夢の弾けるような明るさとコスプレが大好きという思いに触発され、人形ではなく生身の人間の体温を感じる衣装作りができるようになった。雛人形の顔も、生気ある素晴らしいものを作れるようになるに違いない。
海夢も、コスプレ衣装を着るだけではなく五条の心意気を纏うことで、新しいキラキラした自分に生まれ変われる。
ネットで何でも買えるし、他人と知り合い会話ができる現代だからこそ、自分の手で何かを作ったり相手を思いやったり心を寄り添わせることの暖かさを忘れずにいたい。
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