
〈2、5、8、11月の第2月曜日更新(祝日の場合は翌営業日更新)〉
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筆者にとっては『生徒諸君!』が初めて出会った青春群像漫画作品だった。
記憶に残るのは中学生の主人公北城尚子・愛称ナッキーがセーラー襟をなびかせ「生徒諸君、さらばです!」と卒業式の答辞で呼びかける場面。何故だか時々、その場面を今でも思い出す。ずっと昔の友達をフッと思い出すように。多感な頃に触れた漫画作品の登場人物は、実在した友人と同じ位の濃い親しみと重さで心に存在し続けている。
聖美第四中学2年A組に転校して来た北城尚子(通称ナッキー)が、悪たれ団という仲間を作り、学校に旋風を巻き起こす! などと一言では簡単に解説できない。‘70年代の少女漫画ならではの長くて深いストーリーだ。
複雑な生い立ちや恋愛、すれ違いや嫉妬、報われない想い、病や死と、読者の心と目を捉えて離さない展開が押し寄せる。そして中学生だった彼らが成長して大人になり、職に就き、結婚? という大河ドラマさながらの長い物語が続いていく。
いつも元気印、モテモテでリーダー的存在のナッキーだが、家庭環境は複雑だ。双子の姉真理子が生まれつき病弱だったため青森県の祖父母のもとで育つ。画家の卵、飛島峻と出会うが、ナッキーに自作の絵を届ける途中事故に遭い…。大好きな峻と愛する姉の真理子が婚約してしまうという、せつない展開に。
皮肉な運命に立ち向かえる強さを持ち、万人に慕われ、しっかり者のナッキーに憧れる反面、その完璧さ、真っすぐさが眩しすぎて、また程遠い存在のような気がして目を背けてしまったこともある。でも何故だかナッキーを、この作品を忘れない。
昔、明るくて優秀で、人気者の同級生がいた。でも彼女は時々悲しそうな表情をしていた。それでも信念と目標を持って、夢を貫いていた。ナッキーの人生をなぞり、心に触れ、友情を知ったことは、当時の少年少女達に濃い影響を与えたのではないだろうか。
大人諸君! 学校を卒業して何十年もたった今、卒業式の答辞で聞いたような、理想の人生を歩めているだろうか? 遠い記憶の中の友達と、久しぶりに再会して語り合いたい。
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