【連載】

経営情報学ノート

浜中 敏幸
(多摩大学大学院経営情報学修士)

 

〈毎月第1月曜日更新(祝日の場合は翌営業日更新)〉

 

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第30回

顧客の度肝を抜くサービス

製品指向

 あらゆる産業においてマーケティングは3つの段階を通過する。すなわち、市場の勃興期、成熟期、革新期の3つである。
 第一段階は市場の勃興期である。この段階ではどの産業も顧客にかろうじて受け入れられる製品・サービスを提供すればよい。最低限の基準を満たすことが目標となる。顧客はそれでも買ってくれる。製品・サービスが提供する利便性が魅力だからである。
 たとえば、自動車の場合、価格が高く乗り心地に問題があったとしても、目的地まで動いてくれればいいのだ。すなわち、勃興期にある産業は製品指向なのである。

顧客指向

 第二段階は市場の成熟期である。この段階になると競合企業が参入し、製品・サービスの差別化が盛んになる。この段階でマーケティングが重要になってくる。
 顧客の声に耳を傾け、製品・サービスの改善を重ねる。自動車の場合であれば、車体のカラー・バリエーションを揃え、FM/AMラジオを搭載し、灰皿をつけるなど、付加価値をつける。
 第二段階では顧客のニーズに応えることが目標となる。すなわち、成熟期にある産業は顧客指向なのである。

想像力指向

 第三段階は市場の革新期である。しかし、第三段階に到達した企業はディズニーランドなど、ほんの一部である。ディズニーランドは顧客の要求を超え、顧客が想像することさえできなかったテーマパークを作り上げた。
 この段階では顧客の期待やニーズに応えることは目標にならない。消費者に対する意識調査も有効な答えとはなり得ない。
 第三段階を目指す企業は顧客の度肝を抜かなければならない。顧客を驚かせ、感動させる製品・サービスを提供すること。これが第三段階に到達するための条件である。すなわち、革新期にある産業は想像力指向なのである。

顧客の想像を超える

 ところが、従来の概念を革新するような製品・サービスを提供できる企業は少ない。ほとんどの企業は第二段階で足踏みしており、そこを抜け出せずにいる。第一段階と第二段階の間を一進一退している企業も少なくない。
 第三段階に入るための最大の武器は「想像力」である。卓越した想像力は最大の経営資源となる。
単に市場が求め、要求している製品・サービスを提供するのではない。顧客の想像を超えた製品・サービスを作り出す。その時その企業には、栄光と名声、圧倒的なマーケットシェアが与えられるのである。


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