『学問の英知に学ぶ 第四巻』

 

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『学問の英知に学ぶ 第四巻』
ロゴスドン編集部 編
定価=5,060円(税込)
2007年12月9日発行
A5判 381頁
ISBN978-4-902462-03-6

(内容)
真理を追究し、学問の発展のために尽力されてこられた大学教授や名誉教授が、各専門の分野から現代社会の病弊に対する処方箋を提供。日本最高峰の学識が易しい表現で談話調に語られる、学問の英知に満ちた珠玉のインタビュー集の第四巻。

(購入方法)
ホンヤクラブでご購入いただけます。

 

(目次)

四十一章 新生活圏の倫理哲学
(哲学者・今道友信インタビュー)
○責任が伴う倫理的徳目としての正義。
○美しく生きることへの憧れが大事である。
○今、正に必要とされている『エコエティカ』。
○人間が人間らしく生きるための倫理。
○経過を重視する物語の大切さ。
○哲学とは、魂の世話である。

四十二章 霊感と芸術の創造哲学
(哲学者・門脇佳吉インタビュー)
○現代では、知恵にまで至った宗教体験が危機にひんしている。
○体と心が一つになっているところに知恵が宿る。
○魂とは、知恵が宿った人間の原動力である。
○すべての宗教の出発点になりうる「命の息吹」。
○もう少し知恵にまで至る人たちの言葉を聞き、自分たちも理性や悟性では見えない宗教体験のようなことを大切にすることが必要。
○深い宗教体験なしに、本当の芸術は生まれない。
○本当の宗教の姿に立ち返り、各宗教をお互いに学び合うことが必要。

四十三章 転換期の科学再考
(科学史家・佐々木力インタビュー)
○科学的知識に対する総合的省察の学問的手段としての科学史。
○「科学」という言葉の語義をめぐって。
○世界的に孤立する日本の科学技術政策、そして体制内化し、堕落しつつある科学史家たち。
○より根源的に歴史的事実に帰り、より信頼できる知識の基礎を探る。
○東アジアの近代――福沢諭吉から陳独秀へ。
○理性的、歴史的判断に基づいて、未来の社会を創る。
○「環境社会主義」という思想運動=未来社会の構想。

四十四章 全体性の歴史論
(歴史学者・福井憲彦インタビュー)
○問いをたてる人の数だけ歴史はある。
○歴史家が行う叙述もまた一つの言語表象である。
○現在も受け継ぐべき観点である時間と空間の問題。
○内部にある違いということに注目しながら考えていく。
○地域的な文化振興への転換!
○産業文明の中で進められた生活様式から離れる必要性。
○現代を生きる人間として、何を歴史に問うのか?

四十五章 思想的総括の社会主義論
(経済学者・岩田昌征インタビュー)
○資本主義を否定するものとして現われてきた社会主義。
○主観的正統性も客観的正統性も消えてしまったマルクス・レーニン主義党。
○社会主義は資本主義の影として、これからも存在せざるを得ない。
○自由、平等、友愛の三つの要素を節合した在り方。
○自由、平等、友愛の裏に潜む、自殺、他殺、兄弟殺し。

四十六章 暴力の社会哲学的考察
(哲学者・今村仁司インタビュー)
○暴力は二次的な偶然的な条件で出てくるという考え方。
○他人の前では必ず認めてもらいたいという欲望を持つ。
○社会的存在である人間は、他人に打ち勝つ欲望を持つ。
○平和作成の鍵を握る、未開社会の贈与体制。
○一人の犠牲者を作って内乱を治める。
○哲学の出発点は、平和的な共同体を作ることにあった。
○人間の本当の姿を知らない限り、真の平和構想は出ない。

四十七章 感情の合理的考察
(認知科学者・戸田正直インタビュー)
○人間は無意識のうちに、ほとんど感情に従って行動している。
○感情には感情の理性というものがある。
○刑法は、「怒り」の原則に従ってできている。
○現代は、「自信のない怒り」が非常に増えている。
○援助行動は、文明の大きな基礎になっている。
○人間のあらゆる活動は、アージ活動である。
○感情システムに矛盾しない社会組織作りを!

四十八章 蘇生への比較政治哲学
(政治学者・内山秀夫インタビュー)
○ひとりで自分の人生を生き抜いて死んでいくという近代。
○自分を拘束しているものを見極めることから、比較という方法が成立していった。
○多数者専制になってしまう、民主主義の問題点。
○何を失っていくのかということが、政治学や社会科学の大命題である。
○人間を否定しない豊かさへの第三の生き方。

四十九章 現代思想の現象学再考
(哲学者・木田元インタビュー)
○精神分析と同様に二十世紀を貫いた思想運動。
○マッハの考え方を徹底化して心理学に適用したフッサール。
○隆盛を極めた要素還元主義に対する方法論的改革。
○ドイツ表現主義の運動に影響されたフッサールの現象学。
○現象学におけるシェーラーとメルロ=ポンティの功績。

五十章 構造主義生物学の視座
(生物学者・池田清彦インタビュー)
○ゲノムは構造化されたシステムとして動く。
○ハエと哺乳類の遺伝子は同じである。
○生物多様性を神を抜きにして説明。
○遺伝病も遺伝子を変えずに環境で治すことができる。
○世の中も生物も構造を見ないと実相は見えない。

五十一章 メディア社会の記号哲学
(記号学者・石田英敬インタビュー)
○世界の記号論化が完成しつつある時代に我々は生きている。
○ソシュールの記号学とパースの記号論を合体させたヤコブソン。
○人間の意味世界全体を対象とする一般記号学の提唱。
○意味が自明ではない世界にメディアが進んでいくと、人間の意味世界が恣意化していく。
○メディアによる欲望の意味づけが、現代社会の根元的な問題である。
○人間社会の支配を、人間の意味の支配として行なうテレビの威力!
○統合するものとしての人間というモジュールが危うくなっている!

五十二章 人間関係の自我心理哲学
(心理学者・根本橘夫インタビュー)
○健全な自我の行動も、代償的自我の行動も、表面上は変わらない。
○エス、エゴ、スーパーエゴの三つの構造。
○怠け者だからできないのだ、という逃げ道で自我を守る。
○自我の核になるものをつくるストローク。
○自己価値観を守ることの方が死よりも重みがある。
○自己価値観が希薄だと、その希薄さをどこかで埋め合わせする。
○性格を変えるということは、今まで自分を守ってきた鎧を脱ぐということである。
○心から愛してくれる人の存在は、自分らしく生きるための力である。


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