『学問の英知に学ぶ 第一巻』

 

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『学問の英知に学ぶ 第一巻』
ロゴスドン編集部 編
定価=4,180円(税込)
2003年12月9日発行
A5判 364頁
ISBN4-902462-00-1

(内容)
真理を追究し、学問の発展のために尽力されてこられた大学教授や名誉教授が、学問の魅力を具体例を挙げながら分かり易く歓談され、一般には気付かれない現代の重要課題の本質に論及される、超一流の名講義風のお話を楽しみながら学問の英知に学ぶことの出来る珠玉のインタビュー集の第一巻。

(購入方法)
ホンヤクラブでご購入いただけます。

 

(目次)

序章 いま、なぜ哲学なのか
(哲学者・加来彰俊)

一章 お茶の間の地震哲学
(地震学者・力武常次インタビュー)
●ほんの五十年前は、地震学の程度はひどいものだった。
●戦艦大和のように頑丈な建物にすればいいが、それには国の経済力等にも関わってくる。
●現状のシステムでは、東海地震以外の直前の予知はできない。
●今度こそは、地震問題に対する国民の意識が冷めてはならない。

二章 体内革命への食文化哲学
(生化学者・西岡一インタビュー)
●生化学は、生命の化学である。
●企業の利益のために使われる化学物質によって、ますます増え続ける日本国内の犠牲者たち。
●発ガン物質によって、人間は十五年後にガンとなる。
●健康でいられるための、とっておきの毒消し術。

三章 生物としての人類哲学
(人類学者・香原志勢インタビュー)
●人間は、非常に優れた「心の動物」である。
●精神の交換に適した直立姿勢。
●心は顔に、いち早く表現される。
●生物にとっての、「都市」と「森」の類似性。
●文明が生んだ、人を人と見なくなる心の恐怖。

四章 文化としての言語哲学
(言語学者・鈴木孝夫インタビュー)
●かつて言語学において、意味論はタブー視されていた。
●独創的な意味論を打ち立てた、エルンスト・ライズィの出現。
●無意識に使っていた、「寒い」と「冷たい」の意外な構造の違い。
●言葉の定義とは、相手を同じ体験に誘導することである。
●人はだれでも、自覚されないものさしを持っている。
●議論をうまくすすめるための、言語学における意味論の必要性。

五章 考え方を問う宇宙哲学
(科学社会学者・中山茂インタビュー)
●宇宙論を材料に、人間のものの見方、考え方を問う。
●時間経過の中で、自分の位置を確かめる人間の学習。
●人間の都合で決まる、膨張宇宙論と定常宇宙論。
●東洋と西洋の形に対する考え方の違い。
●インターネットによって、「中心」はなくなっていく。
●自分を中心とした、独自の宇宙論を!

六章 思考を研く論理哲学
(哲学者・吉田夏彦インタビュー)
●「男の論理」というのは、「男のお願い」にすぎない。
●女は感情的で男は論理的?
●論理学は、言葉を使って相手を説得するしくみを調べることから始まった。
●コンピュータ化の為に、あい昧な言語表現を全て論理的な言語表現に変える。
●哲学的な問題を研究するうえで、論理学が役に立つことが有り得る。

七章 日常生活での数学哲学
(数学者・森毅インタビュー)
●数学のイメージを狂わせるのは、中学校あたりの数学に原因がある。
●口頭試問は、ヘルメットへの報復から始まった。
●複素数も頻繁に使われるようになれば、リアリティを持った数になる。
●数学をやれば、考え方にふくらみがでる。
●数学の指数・対数の感覚を養えば、世の中の為になる。
●数学に限らず、今の世の中「分散」が大事である。

八章 哲学的物理の視点
(物理学者・江沢洋インタビュー)
●哲学を排斥した、戦後日本の物理学。
●エピクロスに始まる原子論に、物理学の根っ子がある。
●デカルトは物理学者で、ニュートンは数学者?
●「世界は全て電気である」という世界観。
●光より速いものがあると困る、アインシュタイン。
●古典物理学が正しかったら物質は存在できない。
●現在の状態を計算すれば、その人の将来が全て分かる。

九章 庶民のための経済哲学
(経済学者・岸本重陳インタビュー)
●利害対立から離れにくい、経済学の「さが」。
●経済学は現在でも、さほど高いレベルに達していない。
●利己的な利益追求が、社会にハーモニーをもたらす。
●マルクスは、地下世界の住人にすぎなかった?
●資本主義を超えた、新しい経済社会へ。
●景気が悪いから福祉が出来ないということに、発想の貧困さが示されている。
●このままいくと2050年までには、日本はガタガタになってしまう。

十章 癒しへの医学哲学
(医学者・中川米造インタビュー)
●「医」の起源は、魔法使いにある。
●ニーチェいわく、「一九世紀に神は死んだ」とは?
●日本の医学教育は、人間としての成熟を無視した中で行われている。
●インフォームド・コンセントも、日本においてはエゴイズムになりやすい。
●温泉療法も先端医療である西洋医学の真相。
●医学は科学ではなく、ひとつの文化である。

十一章 日本を救う教育哲学
(教育者・西澤潤一インタビュー)
●戦後に入ったアメリカ式のローレベルな教育が、日本の創造性を奪った。
●暗記ばかりやっていると、思考能力が低下する。
●本に書かれていても、本に書かれていない事でも、まずはバカ正直にやってみることが発明の源である。
●今の日本の教育は、どうにもならないところまで来てしまった。
●科学技術が無くなると、日本人は飢えてしまう。
●戦前にあったような創造性を、もう一度引き摺り出さなければならない。

十二章 日本人の倫理哲学
(倫理学者・相良亨インタビュー)
●人間は無意識のうちに、伝統を背負って生きている。
●日本人の倫理は、客観的規範の追求に欠けている。
●正直であれば、是非善悪も分かってくる。
●日本人の伝統的な素地が、「誠」を重視した。
●伝統を全面的に否定する、その仕方が伝統的である。
●人権思想が人間把握の根底に来たことは、戦後の大きな間違いであった。
●日本人にとっては、「おのずからそこにある」という哲学でいくしかない。

十三章 現状認識への歴史哲学
(歴史学者・阿部猛インタビュー)
●日本の歴史学は、評論的なものを排除するところに成立していた。
●円満な人格は、文学や歴史から出来ていた。
●史料とは、支配していく者が書いたものである。
●教育と学問とは、別である。
●歴史をきちんと勉強すれば分かってくることがある。
●戦後一斉に、先生自らが民主主義を教わった。
●ものを考えるには、座標軸が必要である。
●思想的立場の善し悪しは、問題ではない。
●「資本論」に代わる、「社会史」ブームの到来。
●政治を抜きにして、歴史を語ることは出来ない。
●歴史学は、記憶する学問ではない。

十四章 現状変革への政治哲学
(政治学者・加藤節インタビュー)
●高度経済成長期以降、日本政治への原理的な問いが消えていった!
●政治は人間のあり方や運命を、決定的な所で左右する。
●政治からの自由を守り、実現するために、政治への自由の行使が必要である。
●デモクラシーは、永久革命性を秘めた思想である。
●エリーティズムは、強い者の利害を守る構造である。
●国民国家が、内と外から揺らいでいる。
●政治学が引き継ぐべき、批判主義的な理想主義。
●政治の政界への収れんが、最大の問題である。
●変えていく主体がなければ政治は変わらない。

十五章 知的営為の社会哲学
(社会学者・副田義也インタビュー)
●社会をいきいきと具体的にとらえていることに社会学の面白さがある。
●理念型を持ったうえで、現実を眺め、特徴を見出す。
●意外性のある論文で、社会批判的な仕事が出来る。
●内なる差別意識の根強さを告発する批判社会学。
●現実を理解する我々を力づけ助けるのが古典である。
●社会学の研究には、自己表現という一面がある。
●伝統的な日本の文化は、根底の部分では変わらない。
●これからの日本は、現代社会の逆説をどう解消するかにかかっている。

十六章 転換期の経営哲学
(経営学者・吉森賢インタビュー)
●私的利潤のために経営される企業を対象とする学問。
●経営学の理論通りにやっていれば、会社は倒産しなくてすむはずである。
●他の国の経営と比較することではじめて、日本の経営の特徴が鮮明となってくる。
●アメリカではベンチャー企業や個人の能力を評価し、それが伸びる土壌がある。
●ヨーロッパの人たちの価値観は、生活の質が第一であり、会社は二の次である。
●日本企業は長期的な関係を重要とし、いったん決まれば途中で切り辛い。
●行政の保護のもとにある改革は駄目である。
●日本の官僚のようなことをすれば、海外では国民が許さない。
●これからの日本企業は、トップをしっかりさせないと生き残ることが出来ない。


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